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特別コラム

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世界一のおもてなし

メートル・ドテル 宮崎辰
「クープ・ジョルジュ・バティスト」サーヴィス世界コンクール優勝者

文:鬼頭佑治

「クープ・ジョルジュ・バティスト」サーヴィス世界コンクール優勝者 宮崎辰

ミシュランガイド東京が発刊されて以来3ツ星を取り続けている東京・恵比寿にある最高峰のレストランでメートル・ドテルを務めるのが宮崎辰氏です。宮崎氏は、2012年に行われたサービスの技量の世界一を決める「クープ・ジョルジュ・バティスト」サーヴィス世界コンクール東京大会にて優勝し、日本人で初の「世界一のメートル・ドテル」となりました。その後、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出演するなど脚光を浴び、今では、宮崎氏のサービスを目当てに、来店されるお客様も多くいるそうです。多くの方を魅了する宮崎氏のサービスの本質とは。

メートル・ドテルという仕事

メートル・ドテルは、本場フランスではシェフと肩を並べる高度な技能を求められる専門職で、サービスの最高責任者であるとともに、レストランという空間すべての演出家でもあります。お客様に注文をお伺いし、料理の説明や切り分けサービスなどに加え、お店の予約から、お見送り、アフターフォローまで行います。お客様がいかにその場を楽しめるかのカギはメートル・ドテルが握っているため、知識や技術だけでなく、的確な判断力や高いコミュニケーション能力が要求されるのに加え、瞬時に人に好感を持ってもらい、人に幸せを感じてもらわなければならない、高度なスキルが必要になります。

個人技×チームワークから生まれるサービス

メートル・ドテルとしてのゴールとは、お客様にもう一度食事をしたいと思っていただくことだと宮崎氏は言います。そのために必要なのは、お客様の記憶に強く残る、他のレストランでは経験できない「なにか」です。それが、シェフの作る料理なのか、ソムリエのだすワインなのか、お客様同士での会話なのか、はわかりませんが、お客様との接点が多いメートル・ドテルには、シェフ、ソムリエ、スタッフとうまく連携を取るリーダーシップが必要です。どれかが欠けてもお客様の記憶に残るものは生まれません。それぞれが持てる技量を発揮できる環境を整え、より魅力的なものに魅せる個人技とチームワークの両方が必要なのです。

サービス世界コンクールへの挑戦

宮崎氏が世界コンクールを目指すようになったのは、最初に勤めたレストランの先輩との出会いが大きいといいます。生真面目でネアカとは言いがたい宮崎氏にとって、お客様の前で役者のように振る舞い、見る人すべてを魅了するその先輩は憧れの存在で、先輩のようになりたいという思いが、辛い修業時代の日々の心の支えだったようです。そんな先輩は、日本一のサービスマンを決めるメートル・ド・セルヴィス杯で優勝していることを知り、宮崎氏も日本一を目指すようになるのです。
初めて挑戦したのは、宮崎氏が29歳のころ。初めてにも関わらず、なんと準優勝します。長年、出場に向け特訓してきたため、ある程度自信があったようですが、これまでの積み重ねてきた努力が正しかったのだと証明された気分でとても嬉しかったそうです。
次こそは優勝という意気込みで、さらに修練を重ねて、迎えた二年後のセルヴィス杯だったのですが、三位に終わってしまいます。この結果が、宮崎氏の魂に火をつけることになるのです。そこからの2年間は血のにじむ努力をされました。レストランでの仕事をおろそかにはできないため、練習時間は、夜12時を回ってから。2~3時間睡眠をし、朝も練習してから出勤。休日は、普段練習することのできない、ワインのテイスティング、フラワーアレンジメント、フランス語の勉強を行い、これを2年間、毎日休みなく行います。そして迎えたセルヴィス杯を見事優勝し、日本一に輝きます。その後、日本一になったものにのみ出場できるサーヴィス世界コンクールで、日本人初の優勝という快挙を成し遂げるのです。宮崎氏は言います、本番でベストを尽くしたいと考えるとき、一番効果があるのは、本番に至るまで誰よりも練習を積み上げておくことだと。努力は人を裏切らないのだと。

サービスの本質とは

こうして世界一のサービスマンになった宮崎氏のもとには、テクニックを学ぶため全国から多くのセミナーや講演の依頼がくるようになります。様々な質問を受ける中で、特に多いのが、良いサービスとはなんでしょうか、という質問です。宮崎氏は言います。もちろんテクニックなくして優れたサービスはできないのですが、それに加えて出会いに感謝し、そして“お客様のことを好きになる”という気持ちが大切なのだと。その気持ちを伝えるために、様々なテクニックや方法を駆使するのですが、結局のところそれが良いサービスであるのだと。サービス世界一になった宮崎氏が最も大切にすることは、テクニックではなく、“おもてなしの心”なのです。

宮崎辰プロフィール

1976年 12月11日東京都国分寺市生まれ
1996年 フランス校へ進学
南仏St-TropezのLA BASTIDE DE ST-TROPEZ(ミシュラン1ツ星)にて研修
南仏 Lorguesの CHEZ BRUNO (ミシュラン1ツ星)にて研修
1997年 東京国分寺「シェ ジョルジュ・マルソー」に入社
1999年 東京 芝「クレッセント」(ミシュラン2ツ星)入社
2000年 23歳で日本ソムリエ協会認定ソムリエ
2001年 六本木「グランドハイアット東京」開業に携わる。
フレンチキッチン所属。チームリーダーとして海外のVIPを接待する
2004年 東京銀座「オストラル」にメートル・ドテルとして入社
2005年 東京青山「ピエール・ガニエール東京」にメートル・ドテルとして入社
2006年 第12回メートルドセルヴィス杯 初出場で準優勝 (29歳)
2008年 第13回メートルドセルヴィス杯 3位 (31歳)
2010年 東京・恵比寿の三ツ星フレンチレストランにメートル・ドテルとして入社
第14回メートルドセルヴィス杯 優勝 (33歳)
2012年 「クープ・ジョエルジュ・バティスト」サーヴィス世界コンクール東京大会 優勝
2013年 NHK総合テレビ「プロフェッショナル 仕事の流儀」出演
メートル・ドテル 宮崎辰
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